早とちりを可視化してみよう。ルールベースシステムと情報の三つ組
#詳細編
こんにちは！こころと人工知能について研究している、なもなです。
今回は、いろんなものに、ぱっ！と飛びついちゃうことがある人に読んでもらいたい記事です。
自戒を込めて書きました。
おつきあいいただけると、なもな、とってもうれしいです！
情報の三つ組
あなたは、普段生活しながらいろんなものを見たり聞いたりすると思います。
では、それらの情報をどんな形で脳にいれているか、意識したことがありますか？
画像？それとも日本語の文章？
いざ聞かれると、よくわからなくなってくるかもしれませんね。
では、コンピュータではどうでしょうか？
ここからは、人工知能のうちの「ルールベースシステム」という考え方にもとづいておはなしします。
ルールベースシステムについて、くわしくはこちらの記事もあわせてお読みください。
ルールベースシステムにおいて、
コンピュータが認識した情報（あるいは、導き出した推論）は、
＜対象（明らかにしたいもの），属性（対象のひとつの側面），値（その属性がどうであるか）＞
の三つ組（みつぐみ）をひとまとまりとして表現します。
この三つ組は、専門用語で「ワーキング・メモリ・エレメント」とよばれています。
これは、人間になじみやすいように言いかえると、
＜（対象）の （属性）は （値）である（ことがいまわかった）＞
といった感じになります。
たとえば、コンピュータのカメラの前に、キノコが置かれたとします。
すると、カメラのセンサーがキノコを感知し、その情報を人工知能が以下のような三つ組にまとめます。
情報１＜（キノコA）の （傘のもよう）は （水玉もよう）である＞
情報２＜（キノコA）の （傘の地の色）は （赤）である＞
情報３＜（キノコA）の （傘の 図＝水玉の中 の色）は （白）である＞
情報４＜（キノコA）の （直径）は （20cm）である＞
など
これらの情報はすべてのキノコにあてはまる一般的な特徴ではないため、（対象）の欄はアルファベットなどの記号をつけます。
この場合は「キノコA」とし、「このキノコに限った情報ですよ」ということを表しました。
ここまで よろしいでしょうか。
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不注意さんは条件のコンプリートを目指そう
さて、ここからは最近、とある情報筋からきいた話です。
探検家のあいだで「まぼろしのキノコ」と呼ばれているキノコがあるそうです。
「まぼろしのキノコ」の見た目は、以下にしめす条件をすべて満たしています。
条件１＜（キノコ）の （傘のもよう）は （水玉もよう）である＞
条件２＜（キノコ）の （傘の地の色）は （赤）である＞
条件３＜（キノコ）の （傘の 図＝水玉の中 の色）は （水色）である＞
「まぼろしのキノコ」は、「キノコ研究所」に持っていくと100万円で買い取ってくれるらしいです！！
こんな耳より情報を手に入れたら、私はついこんな風に行動してしまいます。
山にキノコをさがしに行き、
条件１＜（キノコ）の （傘のもよう）は （水玉もよう）である＞に合致したキノコを発見
→ピコーン！これは！！
→すぐに脳や神経が「まぼろしのキノコ」をみつけたかのように反応してしまう。
具体的には、
・「まぼろしのキノコ」を見つけたと親しい人に叫ぶ
・頬が紅潮し、すばやく動けるようになる
・100万円をどう使うか悩みはじめる
などですね。
条件がそろっていないのに行動は2つも3つも先走ってしまうのです。
めちゃくちゃ早とちりしがちな方やADHDの方の一部には、私と同じように行動しそうな方がいるのではないでしょうか。
ここまで極端ではなくても、
・（水玉もよう）条件と
・（傘の地の色＝赤）条件だけが合っている（たとえば、赤地に白の水玉）
で反応してしまう方もいるかもしれません。
「まぼろしのキノコ」がもつ特徴（みつけるときの条件）は、単一ではそれほど珍しいものではありません。
しかし、この3つの条件がそろうということが「まぼろしのキノコ」のアイデンティティーであり、だからこそ他のキノコと別の価値ある種として扱われているのです。
まとめ
・人工知能のルールベースシステムでは、情報は三つ組で表現される
（おそらく人間も）
・条件→行動 というルールの下では、条件がすべて満たされることに重要な意味がある
・１つでも条件が満たされていると、行動へのスイッチが入ってしまいがちな人がいる。
→このメカニズムを知ることで、制御できるようになったら幸いです。
条件をしっかりロックオンして、あなたの行動力をいかしてください！
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さいごまでおつきあいいただき、なもなはとってもとってもうれしいです！
記事をよんだ今、あなたはどんな気分ですか？
ルールベースシステムに関する記事を再度ご紹介します。
のぞいてみてくださいね。
それとも あなたも語りたくなった？どうぞいってらっしゃい。
またお会いしましょうね▼▼▼
