【基本編】こころの三つの世界
#基本編
あなたには「心の逃げ場」がありますか?
以前の記事で、人間の脳には「受身の小人」「主体的な小人」とよべそうな、異なる観点から思考をうみだす存在がいる、というお話をしました。
今回はそれに関連して、「心の中に三つの異なる世界があると仮定すると、生きるのが楽になりそう」というお話をします。
現実(だとあなたが思っている)の世界
これは、あなたと周囲の人間が共有している(ことになっている)世界です。
例:私はあのコンテストで3位だった/私の偏差値は52だ
「受身の小人」はこの現実世界の情報や反応を見てなんらかの法則を学習し、どのようにふるまうべきかを予測します。
しかし、あなたが体験したごく狭い世界のできごとを、「受身の小人」が全世界の普遍的な標本だと思い込んでしまうことがよくあるので、注意が必要です。
関連ワード:客観性、世間、数値
じぶんだけの世界
「現実の世界」といっても、実際は一人ひとりがそれぞれの学習経験に応じた異なる認識をしているので、そこには矛盾(認識の相違)が生じます。
その矛盾の中で生きていけるように、人間はもう一つの世界をつくることができます。
そこでは、あなたはあらゆるものについて、現実の世界での扱われ方とまったく異なる扱い方をすることができます。
例:あのひとが私のことをバカといったけど、私はバカではない
現実の世界がどれだけ厳しいものであっても、この世界では関係ありません。あなたを苦しめるものは追い出してしまえばいいのですから!
ただし、この世界での認識は他者とは共有できません。あなただけのものです。
関連ワード:主体的自我、自己肯定感、レジリエンス
観念(こうでなければならない)の世界
現実の世界の矛盾をかいくぐるために「あなただけの世界」を作れなかった場合に代わりに生成されるのが「観念の世界」です。
それは、主体的自我がない人にとっての理想の現実世界といえます。
観念の世界でつくりあげた命題を現実の世界に持ち込んで他者にそれを無理やり共有させようとする人がいますが、相手にとっては理解しがたいため嫌がられます。
まずは、心の中に自然に存在する命題の中で、どれが自分の観念なのか探ってみる。そして「あなただけの世界」に移行を試みてみることによって、苦しみが解けていくかもしれません。
関連ワード:~でなければならない、自己愛、強すぎる承認欲求
心に「じぶんだけの世界」を持とう、そして逃げ込もう!
幸いなことに、「じぶんだけの世界」を持つのに特別な能力も資格もいりません。
ただ、他者と世界を共有している(かのように思っていた)時のどことなく甘美な感覚から醒める決意をすれば、それでOKなのです。
そして、しんどい時は心では「じぶんだけの世界」に逃げればいい。いくらでも。
不思議なことに、逃げれば逃げるほど、あなたは「強い人」だと周りに思われるようになるでしょう。
そう、強い人になるためには、弱いままでOKなのです!
面白いですね。
あなたも、そう思えそうですか?